オイラーの公式

布団に入ってもなかなか寝付けずに頭が暴走して有名な数式

e^{i\pi}=-1

の導出をしてた。

 

以下はその過程。

 <準備1>

e^x

a_0+a_1x+a_2x^2+ ...+a_nx^n+ ...

のようなx^nの和で表現できたとする(たしかマクローリン展開するという)。すると具体的にa_nはどんな値になるかを導いてみる。

 

\begin{equation}e^x=a_0+a_1x+a_2x^2+ ...+a_nx^n+ ...\end{equation}

 

の両辺を微分すると左辺はそのまんまだから..

 

e^x=a_1+2 a_2x+3 a_3x^2+ ...+\left(n+1\right)a_{n+1}x^n+ ...

 

という式が導出される。上の式から下の式を引いてやると

 

0=\left(a_0 - a_1\right)+\left(a_1 - 2 a_2\right)x+\left(a_2 - 3 a_3\right)x^2+ ...+\left(a_n - \left(n+1\right)a_{n+1}\right)x^n+ ...

 

となる。これはxについての恒等式(xがどのような値でも成り立つ等式)だから、各項の係数は全て0じゃないといけない。つまり、

 

a_n - \left(n+1\right)a_{n+1} = 0

 

じゃないといけない。これをもう少し、整えてやると、

 

a_{n} = \frac{1}{n}a_{n-1}

 

これを繰り返し用いて、

 

a_{n} = \frac{1}{n}a_{n-1} =   \frac{1}{n}\cdot \frac{1}{n-1 }a_{n-2}  = \frac{1}{n} \cdot\frac{1}{n-1 } \cdot\cdot\cdot  \frac{1}{1}a_{0}  = \frac{1}{n!}a_0

 

あとはa_0の値が分かればいいが、これは恒等式x=0を代入すれば、簡単にa_0=1と求まるから、結局

 

e^x=\sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{k!}x^k

 

で具体的に表現できた!!

 

<準備2>

つづいて、\sin xを展開して表現してみる。

 

\sin x = a_0+a_1x+a_2x^2+ ...+a_nx^n+ ...

 

使う性質は二回微分したときに

\sin x-\sin xになるというもの!!

つまり, 

 

a_0+a_1x+a_2x^2+ ...+a_nx^n+ ... = - 2a_2 - 3 \cdot 2 x - 4 \cdot 3 x^2 - \cdot \cdot - \left(n+2\right)\left(n+1\right)a_{n+2}x^n - \cdot \cdot ...

 

これはxについての恒等式だから、

a_n = -\left(n+2\right)\left(n+1\right)a_{n+2} 

 

が成り立つ。

 

整理すると

 

a_n=-\frac{1}{n} \cdot \frac{1}{n-1} a_{n-2}

 

これを繰り返し用いると、添え字が偶数奇数でそれぞれ

 

a_{2m}=\frac{1}{\left(2m\right)!}\left(-1\right)^m a_0

a_{2n+1}=\frac{1}{\left(2n+1\right)!}\left(-1\right)^n a_1

 

そして、恒等式x=0恒等式を一回微分したものにx=0を代入することで、

a_0=0a_1=1がすぐに分かるから、結局

 

\sin x= \sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{\left(2k+1\right)!}\left(-1\right)^k x^{2k+1}

 

で導けた!!

もう一つ、 \cos xも同様にやってみると \sin xと途中までは全く

同様に導けて最後のa_0a_1だけが、a_0=1a_1=0で違っていて結局、

 

\cos x= \sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{\left(2k\right)!}\left(-1\right)^k x^{2k}

 

となる。

 

<本番>

<準備1>で得られたe^xについてまことに勝手ながらx虚数にまで拡張させてみる。

細かいことは気にしない(所詮素人のたわごとですから)

特にx=i\piとして代入してみると、

 

e^{i\pi}=\sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{k!}\left(i\pi\right)^{k} = i \cdot \sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{\left(2k+1\right)!}\left(-1\right)^k \pi^{2k+1} + \sum^{\infty}_{k=0}\frac{1}{\left(2k\right)!}\left(-1\right)^k \pi^{2k} 

 ここで、<準備2>で得られた展開式を用いると、

 

e^{i\pi}=i\sin \pi + \cos \pi = -1

 

となって有名な(世界一美しいらしい?)式が得られた!!

やっぱ美しい。

 

やっぱ数学楽しいわ。